加藤晋さん中京短期大学、中京大学第1期生(1958年 中京大学商学部卒)

1954年当時のテキスト、学帽など7点が加藤さんから寄贈された

 学校法人梅村学園は、1954年に中京短期大学、2年後に中京大学を開設した。加藤さんはいずれも第1期生として入学した。当時、授業で使われたテキスト、学帽など7点が見つかり、加藤さんから寄贈された。中京短大時代のテキストは学園としてこれまで収集例がなく、学帽はもっとも古い時代の寄贈品となった。

 愛知県東郷町の東郷中学に在籍していた加藤さんは、野球をしていた縁で中京商業高校(現・中京大学附属中京高校)に入学し、1954年に卒業した。梅村学園はこの年に中京短期大学、さらに1956年に中京大学を新設し、加藤さんはいずれも開設年度に入学した。

 寄贈されたのは、短期大学のテキスト6冊と中京大の校章のついた学帽。商業英語のテキストはタイトル、表記とも英文で、計3部で構成される。また「商品学通論 商品学講義分冊」と「衣料繊維及び製品」は、表紙に「中京短期大学商品学教室」と明記されている。

 英文、和文タイプ、さらに手書きもあり、印刷博物館(東京)によると、6冊とも謄写版(ガリ版)印刷と思われる。学帽は、新品を古びたように見せるためポマードなどの油を塗ったあとがくっきり残されている。いずれも60数年前のものとしては保存状態が比較的いい。

 寄贈品は、同じ東郷町内の加藤さんの実家に長く保存してあった。加藤さんは、在学当時の学長・梅村清明氏の妻で、陸上のオリンピアン・梅村すみ子さんと中京大の授業で同席したこともあるといい、「当時の学友とは、最近までゴルフなどで交流がありました。いい友人が多く、大学を出て本当によかったと思っています」と話している。