中京大学水泳部 インカレで大活躍した選手にインタビュー!
第100回日本学生選手権水泳競技大会が9月5日から8日にかけて東京アクアティクスセンターで開催され、男子総合3位、女子総合2位という結果で閉幕しました。今回は、その中でも輝かしい成績を収めた6選手に大会後インタビューを行いました。
《男子 1500m 自由形》
宮木宏悦選手 (スポーツ科学部2年) 優勝
山本大地選手 (スポーツ科学部1年) 2位
―どんな気持ちで本番挑まれたのですか?
山本選手:練習時から、「毎日隣で練習している宏悦さんと1・2フィニッシュする」と言ってきました。本番になって、1・2フィニッシュできそうな状態になり「あとはやるしかない」と思って頑張りました。
宮木選手:今シーズンは不調から始まりました。その状況の中でいろんな人に声をかけてもらい、ようやくインカレの直前になって戦える状況になりました。支えてくれた人たちに恩を返すためにも、結果で証明したいという気持ちをもって戦いました。
―1・2フィニッシュできたときの気持ちを教えてください。
山本選手: 安心したし、うれしかったです。中京大学に貢献出来てよかったなとホッとしました。
宮木選手:予選の段階で「中京大学で1・2フィニッシュできるだろう」という予感はしていました。実際できて嬉しかったです。中京大学のサポート力や応援力、練習環境を、2人で日本一を通して証明できてよかったです。
―日頃は同じチームで練習されているのですか?
山本選手・宮木選手:はい、そうです。
―日頃チーム内での練習からインカレに向けて何か2人で意識したことはありますか?
山本選手: 練習から宏悦さんに勝つという気持ちで臨むことを大切にしていました。
宮木選手:普段隣で泳ぎながら切磋琢磨して練習ができていたと思います。
―良きライバルだったのですね。
宮木選手: そうですね。普段ずっと隣で泳いでいたからこそ、緊張はありましたが、試合の時に落ち着いて練習通りに泳げました。大地が水泳部に入ってきてくれて、一緒に練習してくれていたからこそだと感じています。
―来年のインカレに向けての目標を教えてください。
山本選手: 来年は宏悦さんに勝つ気持ちで頑張りたいです。
宮木選手:もう一度2人で1・2フィニッシュがしたいです。タイムを今年よりもあげることも自分自身としての目標です。
―インカレの1500mの中で、辛い時間帯はありましたか?
山本選手:ラスト500mからです。自分は諦めやすいタイプなので、試合の中でも諦めてしまいそうなときもありました。インカレは宏悦さんの隣だったので、「絶対についていって、絶対1・2フィニッシュする」という気持ちだけで泳ぎました。きつかったけれど、頑張って耐えられました。
宮木選手:800mあたり、半分超えてからですかね。ずっと大地が視界に入っていました。1000mを過ぎたところでスピードを上げたのですが、それまではひやひやしていました。その時はきついという感情もありましたが、周りについて来られているという試合状況だったのできつくても耐えられていました。
―インカレでは実況で宮木選手を「努力型タイプ」、山本選手を「天才型タイプ」と比較して表現していましたが、実際はいかがですか?
宮木選手:自分から見て大地は泳ぎがうまいと感じるし、練習でも早いです。ただ、努力していないというわけではないですね。たしかに天才型ではあるけれど、努力ができる人でもあると思います。
山本選手: 宏悦さんは私生活から自分とは正反対の生活をしています。見習っていかないといけないことばかりだと思っています。コツコツ努力している宏悦さんを見習って、来年は「努力している」と言われるように頑張りたいです。
―山本選手から見て、どのような部分が宮木選手と正反対だと感じたのですか?
山本選手:例えば寝る時間ですね。自分も遅い方ではないのですが、宏悦さんは21時とかに寝ているらしいです。
宮木選手:寝られるときは、ですけどね。睡眠時間は長めに取りたいタイプです。朝練があるので10時間は寝られないのですが、21時~22時前後に寝て、5時過ぎに起きます。
山本選手:あと食事の面でも栄養などを気にして摂っているみたいです。
―食事の面で気を付けていたことを教えてください。
宮木選手:今シーズンは「体を作っていく作業」を自分の中でやってきました。1日のカロリーの量やたんぱく質の量、糖質の量などを把握しながら生活していました。後は、体を動かすのに必要な栄養素を調べて体を絞り、体を作っていく作業をしました。
―基本大学のイーグルテラス(食堂)で食事されているのですか?
宮木選手: 基本はそうで、お昼は自炊しています。お盆中は食堂がやっていなかったので自分で作りました。作るといっても焼くだけですけどね。
山本選手:見習いたいですね。
―お2人はズバリどのような関係ですか?
宮木選手:先輩後輩というより「ライバル」という関係です。自分の中で大地は速い存在なのでライバルです。
山本選手:高校時代は練習の中で競い合う人がいなかったので、大学生になって初めて同じ種目で自分よりレベルの高い人と練習することになりました。憧れもあるけれど、自分もライバルって言いたいです。
―水泳を離れても仲はいいのですか?
宮木選手:一応自分がお世話係になっています。一緒にどこかに出かけたりなどはしていないですね。余裕がある時にどこか行きたいですね。
山本選手:お願いします。
終始和やかに行われたインタビュー。先輩後輩でありながらも『良きライバル』であることを全身から感じました。今後も非常に楽しみです。
《女子 4×100mメドレーリレー》
竹葉智子(スポーツ科学部3年)、 石渡遥(スポーツ科学部2年) 、廣下菜月(スポーツ科学部4年) 、神野ゆめ(4年) 優勝
-どのような気持ちでメドレーリレーに挑みましたか。
竹葉選手:今シーズン、私自身は結構苦しい状況が続いていたので、不安はあったのですが、チームを信じて、仲間を信じて最後まで戦おうと思っていました。
石渡選手:頼もしい先輩方とリレーを組めてうれしいという気持ちもありつつ、やるしかないなと思っていました。
廣下選手:私も正直いい形で試合を迎えられていたわけではなかったですが、どの種目よりもこの種目にかける思いが一番強かったです。なので、この種目は譲れないなという気持ちで必死に泳ぎました。
神野選手:神奈川大学さんが私の前にいたのですが、飛び込む前に「行ける!」と思いました。このメンバーでずっとやってきて思い入れがあったし、絶対に勝たなきゃいけないと4人が思えたからこそ私はその場で行けると思えたのだと思います。
-個人種目とメドレーリレーの違いを教えてください。
竹葉選手:個人でもメドレーでも私がベストで泳ぐことが大切であると思っています。でも、個人では客席やプールサイドに人はいても真後ろにメンバーが立つことはないのでそのような面で心強さを感じます。
石渡選手:リレーだと招集所で一人じゃないことが大きいと思います。先輩たちの背中に乗っかってという気持ちではないけれど、安心を感じられます。
廣下選手:リレーは4人で1本のレースをするので負けたらダメなんです。特に私は真ん中にいる立場なので足を引っ張ることのできない立ち位置で、個人よりもプレッシャーや使命感が強かったです。4日間で一番勝ててうれしかったのはメドレーリレーだったので、それほど想いが強かったです。
神野選手:リレーは4人で戦っているイメージがあります。私がタッチした瞬間がそのまま順位になるので、プレッシャーは大きいものの楽しむことも大切だと思っています。
-竹葉選手はトップバッターとして意識していたことはありましたか。
竹葉選手:私自身は1つでも上の順位で次につなげるというのが最大限の仕事だと思っていたので、上位を死守することを意識していました。
-竹葉選手は前半が速かったですが、スタートダッシュを決めようと思っていたのですか。
竹葉選手:自分でもこんなにスピードが出るのだとびっくりしたぐらい前半が速く泳げました。正直、体感とタイムは追いついていない状況だったのですが、前半はスタートさえ決まれば間違いなく1番だろうと感じていたので自信をもって泳ぐことができました。
-石渡選手は唯一の2年生ですが、先輩たちはどのような方々ですか。
石渡選手:皆さん水泳に対する想いがとても大きいです。かっこよくて、ストイックであるし、見習うような存在です。
-石渡選手はプレッシャーをどう乗り越えましたか。
石渡選手:やることをやってきたから、ここで出さなかったら後悔すると思いましたし、大舞台で三連覇をかけて戦う経験はできないことだと思っていました。チームのためにという思いが一番力になったと思います。
-廣下選手は後輩に対してどのようなアドバイスをしましたか。
廣下選手:スタッフや選手たちでしっかりと勝つ方法を考えています。1人1人が何秒で泳ぐのかを理解して練習することと、その上で勝つ状況を自分たちで作っていくことを伝えました。
-神野選手はゴールした瞬間どのような気持ちでしたか。
神野選手:飛び込むときは少し差があると感じていましたが、前半のターンの時にトップの選手が少し見えた時に「行けるかも」と思いました。タッチした瞬間は「連覇できた」と実感し、その瞬間は気持ちよかったです。
-来年の目標と期待することを教えてください。
竹葉選手:メドレーに関して私は3年間泳がせていただいていますが、この3年間とも先輩方に助けてもらいながらメダルを取らせていただいているので来年は引っ張る立場で4連覇に向けて圧倒的に勝ちたいです。
石渡選手:先輩方に助けていただいたので、来年は平泳ぎで他大学の選手に引けを取らず、食らいついて勝っていけるようにしていきたいと思います。
廣下選手:メダルをかけている選手にはしっかり頑張ってほしいけれど、(取れる点数に)限界があるので、A決勝・B決勝に進出できる選手がどんどんと状態を上げていけばさらに多く点数を取れるので、そのような戦い方をしていってほしいなと思います。
神野選手:私からするとまだまだ後輩たちには足らない所があると思っているので、私の期待をいい意味で裏切るくらい一人一人が成長して、チーム全体で引っ張っていけるようなチームを作っていってほしいと思っています。
インタビュー中の4人からは、メドレーリレーに懸ける想いが言葉や表情からひしひしと伝わってきました。来年のインカレも注目したいです。
水泳部の活躍は、2024年12月発刊の広報誌「Beyond 中京大学スポーツ」にも掲載予定です。ぜひチェックしてみてください!
取材:文・写真 学生広報スタッフ「ライト」
経営学部3年 大石和佳奈
文学部3年 石井莉子