工学研究科久野文菜さんに学長賞 未踏IT人材発掘・育成事業に採択

 工学部濱川礼研究室に所属する久野文菜さん(工学研究科修士2年)のプロジェクトが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の2019年度「未踏IT人材発掘・育成事業」に採択されたことを称え、5月19日に安村仁志学長から学長賞が贈られた。

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オンラインで安村学長から表彰状を受け取る久野さん


 今回採択されたプロジェクトは「スペクトログラム生成による多重奏からの聴音支援システムの開発」。久野さん自身が高校生の頃からジャズピアノを演奏しており「多数の楽器が演奏されている曲からピアノの音だけを聞き取りたい」と思ったことがきっかけでスマートフォン向けの音源分離アプリの開発に至った。久野さんが開発した音源分離アプリは、多数の楽器で演奏されている曲から指定した楽器の音だけを抽出したり、消したりすることを可能とする。2019年度の同事業は131件中21件のプロジェクトが採択されている。

 プロジェクトについて久野さんは「スマートフォンアプリの開発は初めての経験だったので、今回の事業で知り合ったスマートフォンアプリ開発のプロの方々とコンタクトを取りながら開発を進めました。昨年6月に研究を開始してから2月までの9か月間は必死に作りこみました。2月に行われた成果報告会も緊張することなく楽しんでプレゼンテーションできました」と振り返った。担当教員の濱川教授は「本当によく努力して成果を出してくれました。とても充実した期間だったと思います」と話し、上林真司研究科長は「久野さんは研究がすごく楽しかったのだと思います。良いモデルケースとなり、同じように挑戦する学生が増えると嬉しいです」と話した。

 久野さんは今後について「今はプロジェクトの同期の方々と一緒に動画にテロップを自動でつけるアプリの開発に携わっています。将来は人工知能などの技術を用いて、人々の生活の手助けや利便性の向上につながるサービスの開発に携わる仕事をしたい」と話し、安村学長は「久野さんの夢が叶うように、これからも研究や仕事をがんばってください」とエールを送った。

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新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、今回の表彰はオンラインで行われた

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