平昌五輪男子フィギュア 宇野選手が銀メダル 金は羽生選手

 平昌冬季五輪第9日の2月17日、男子フィギュアスケートのフリースケーティング(FS)が行われ、宇野昌磨選手(スポーツ科学部2年、トヨタ自動車)が初の五輪で銀メダルに輝いた。優勝は羽生結弦選手で、日本選手はこの種目で初めて二人が表彰台に上った。

 前日のショートプログラム(SP)で104.17点と100点越えで3位につけていた宇野選手はこの日、最終滑走で登場した。立ち上がりの4回転ループで転倒し、冷やりとさせたが、次の4回転フリップを完璧に跳んだ。4回転フリップは自らが世界で初めて成功させた技で、ここで完全に立ち直りを見せ、その後はトリプルアクセル、4回転トウループのコンビネーションジャンプなどすべてジャンプを成功させた。その他、フライングキャメル、コンビネーションなどのスピンやステップも見事に演じた。

 フリーの得点は202.73で合計306.90点のハイスコアを獲得し、SP2位のハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)を1.66点差で逆転した。羽生選手は合計317.85点だった。

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       声援とスティックの音が鳴りやまない会場

 また、この日は「豊田市わがまちアスリート」の宇野選手を応援しようと、豊田市駅近くのJAあいち豊田本店ふれあいホールでパブリックビューイングが開かれた。会場には300人近い市民らが訪れ、壇上では元フィギュアスケーターの小塚崇彦さん(大学院体育学研究科修士課程2015年度修了、トヨタ自動車)と大庭雅(スポーツ科学部4年)、竹内孝太朗(スポーツ科学部2年)両選手が解説を務めた。

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    解説する3人(右から)小塚さん、竹内さん、大庭さん

 最終グループ上位6選手の6分間練習がスタートしたころから会場の盛り上がりが大きくなり、4番滑走の羽生選手が素晴らしい演技を披露するとバルーンスティックを打ち鳴らして応援のボルテージが上がってきた。続いてフェルナンデス選手、そして最終演技者の宇野選手がスクリーンに映り、ボルテージは一段と高くなった。しかし、最初のジャンプで転倒。ため息とも悲鳴ともつかないような声が会場を支配した。ところが宇野選手の立ち直りは素晴らしかった。その後は転倒の影響をみじんも感じさせないようなスケーティングを続け、満足の表情で演技を終えると、声援とスティックの音が鳴りやまず、会場の興奮度は最高潮に達した。

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 小塚さんは「最初(の転倒)以外は、最後まで素晴らしかった。よく頑張りました」とたたえ、大庭選手は「最後は笑顔で終えて感動しました」、竹内選手は「さすがショーマ(昌磨)」と笑顔を見せた。

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      取材に笑顔で答える山田コーチ       16社の新聞社、放送局が集まった

 また、山田満知子コーチは本学豊田キャンパスでテレビ観戦後、新聞社、放送局計16社の記者の取材に応じた。「見ているだけでドキドキでした。メダルや順位は気にしていませんでしたが、結果的に銀で良かったです。大満足です」と話した。また「今、声をかけるとしたら」という質問には「大舞台であれだけのことができた。抱きしめて、ねぎらいたいです」と答えた。

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